【解説】統合失調症について-原因・症状・治療法などを解説|ルーツ川崎 | 就労移行ITスクール

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【解説】統合失調症について-原因・症状・治療法などを解説|ルーツ川崎

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こんにちは!ルーツ川崎です!

8月も終わろうとしていますが、暑い日が続きますね…

夜は少し涼しい日も増えてきたような感じがしますが、まだまだ暑いのでしっかり水分補給と暑さ対策をして夏を乗り越えていきましょう!!

 

 

さて、今回は統合失調症についてのお話をしたいと思います。

厚生労働省の調査によると、統合失調症の罹患率は100人に1人と高く、発症は10代後半から30代が多い病気であるという結果が出ています。

そう考えると、非常に身近な病気であると言えますよね。

統合失調症を知っている人も、知らない人も、この記事を通して少しでも統合失調症を知るきっかけになればと思っています。

 

目次

1.統合失調症とは

 1-1.統合失調症とは

 1-2.統合失調症の患者数

 1-3.統合失調症の原因・発症の要因

 

2.統合失調症の症状について

 2-1.幻覚・妄想

 2-2.生活の障害

 2-3.病識の障害

 

3.統合失調症の検査と治療について

 3-1.統合失調症の検査

 3-2.統合失調症の治療

 

4.最後に

 

 

1.統合失調症とは

 

 

1-1.統合失調症とは

 

統合失調症とは、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患のことです。

「普通の話も通じなくなる」「不治の病」といったイメージがありますが、それは誤りで、統合失調症はこころの働きの多くの部分は保たれ、多くの方が回復されるという調査結果も出ています。

統合失調症は、以前は「精神分裂病」と呼ばれていました。脳神経のネットワークがうまく働かず、脳内のさまざまな情報や刺激をまとめる(統合する)ことが難しくなる病気で、根本的な原因は不明ですが、生活する上で過度なストレスなどをきっかけに発症すると考えられています。

病型は破瓜型・緊張型・妄想型の3つに分けられています。

 

・破瓜型…意識低下や感情の平板化が中心で、思春期から青年期にかけて発病することが多い。

・緊張型…極度の緊張や奇妙な行動が特徴で青年期に発病する。

・妄想型…幻覚や妄想が主体で30歳前後に発病する。

 

良好な予後を迎えるためには発症からなるべく早い段階で治療に結び付けることが鍵となってきます。

 

 

 

1-2.統合失調症の患者数

 

厚生労働省による調査では、ある1日に統合失調症あるいはそれに近い診断名で日本の医療機関を受診している患者数が25.3万人で、そこから推計した受診中の患者数は79.5万人とされています(2018年患者調査)

受診していない方も含めて、統合失調症がどのくらいの数に上るかについては、特に日本では十分な調査がないのが現状です。

 

世界各国からの報告をまとめると、生涯のうちに統合失調症にかかるのは、人口の0.46%、1年間の新たな発症が人口10万人あたり15人とされています。

 

冒頭でも述べましたが、統合失調症の罹患率は高いと言え、中学生以下の発症は少なく、40歳以降にも減少傾向にあり、10歳代後半かた20歳代にピークがあります。

発症頻度に大きな男女差はないとされてきましたが、診断基準に基づいて狭く診断した最近の報告では、男:女=1.4:1で男性に多いとされています。また、男性よりも女性の発症年齢は遅めです。

(参照|統合失調症 疾患の詳細

 

 

 

1-3.統合失調症の原因・発症の要因

 

はっきりとした原因は不明ですが、一説によると脳の神経伝達物質のバランスが崩れて混乱することが関係していると言われています。

進学・就職・独立・結婚などの人生の進路における変化が、発症の契機となることが多いようですが、それらは発症のきっかけではあっても、原因ではないと考えられています。

というのは、こうした人生の転機はほかの人には起こらないような特別な出来事ではなく、同じような経験をする大部分の人には発症には至らないからです。

その他にも、遺伝、環境因子など、いくつかの要因が考えられますが、全て可能性の域を出らず、原因は一つと決められません。いくつかの危険因子が重なることで発症すると考えられていて、また、病気になりやすい脆弱性があるところにストレスの多い環境などが重なることで発症しやすくなるとも考えられています

 

 

 

2.統合失調の症状

 

 

統合失調症の症状は多彩なため、全体を理解するのが難しいですが、今回は「幻覚・妄想」「生活の障害」「病識の障害」の3つに分けてお話します。

 

 

 

2-1.幻覚・妄想

 

幻覚と妄想は総合失調症の代表的な症状です。幻覚や妄想は統合失調症だけでなく、他のいろいろな精神疾患でも認められますが、統合失調症の幻覚や妄想には一定の特徴があります。幻覚と妄想をまとめて「陽性症状」と呼ばれることがあります。

 

■幻覚

幻覚とは、実際にないものが感覚として感じられることです。

統合失調症で最も多いのは、聴覚についての幻覚、つまり誰もいないのに人の声が聞こえてくる、他の音に交じって声が聞こえてくるという幻聴(幻声)です。

「お前は馬鹿だ」などど本人を批判・批評する内容、「あっちへ行け」と命令する内容、「今トイレに入りました」と本人を監視しているような内容が代表的です。

普通の声のように耳に聞こえて、実際の声と区別できない場合、直接頭の中に聞こえる感じで、声そのものよりも不思議と内容ばかりがピンと分かる場合などがあります。

周りの人からは、幻聴に聞きいってニヤニヤ笑ったり(空笑)、幻聴との対話でブツブツ言ったりする(独語)と見えるため奇妙だと思われ、その苦しさを理解してもらいにくいことがあります。

 

 

■妄想

妄想とは明らかに誤った内容であるのに、信じてしまい、周りが訂正しようとしても受け入れられない考えのことです。

「街ですれ違う人に紛れている敵が自分を襲おうとしている」(迫害妄想)

「近所の人の咳払いは自分への警告だ」(関係妄想)

「道路を歩くと皆がチラチラと自分を見る」(注察妄想)

「警察が自分を尾行している」(追跡妄想)

などの内容が代表的で、これらを総称して被害妄想と呼びます。

時に「自分には世界を動かす力がある」といった誇大妄想を認める場合もあります。

 

 

■幻覚・妄想の特徴

統合失調症の幻覚や妄想には2つの特徴があります。

1つは内容の特徴です。幻覚や妄想の主は他人で、その他人が自分に対して悪い働きかけをしてきます。つまり人間関係が主題となっています。その内容は、大切に考えていること、劣等感をいだいていることなど、本人の価値観や関心と関連していることが多いようです。このように幻覚や妄想の内容は、もともとは本人の気持ちや考えに由来するものです。

もう1つは気分に及ぼす影響です。幻覚や妄想の多くは、患者さんにとっては真実のことと体験され、不安で恐ろしい気分を引き起こします。無視したり、ほうっておくことができず、いやおうなくその世界に引きずりこまれるように感じます。場合によっては、幻聴や妄想に従った行動に走ってしまう場合もあります。「本当の声ではない」「正しい考えではない」と説明されても、なかなか信じられません。

 

 

 

2-2.生活の障害

 

統合失調症は前述したように幻覚・妄想とともに、生活に障害が現れることが特徴です。

この障害は「日常生活や社会生活において適切な会話や行動や作業ができにくい」という形で認められます。陰性症状とも呼ばれますが、幻覚や妄想に比べて病気による症状とはわかりにくい症状です。

患者本人も説明しにくい症状ですので、周囲から「社会性がない」「常識がない」「気配りに欠ける」「怠けている」などと誤解されるもととなることがあります。

 

 

 

 

2-3.病識の障害

 

病識とは自分自身が病気であること、あるいは幻覚や妄想のような症状が病気による症状であることに自分で気づくことができること、認識

できることを言います。

統合失調症の場合には、この病気が障害されます。多くの場合、ふだんの調子とは異なること、神経が過敏になっていることは自覚できます。しかし幻覚や妄想が活発な時期には、それが病気の症状であるといわれても、なかなかそうは思えません。

症状が強い場合には、自分が病気であることが認識できない場合もあります。

治療が進んで病状が改善すると、自分の症状について認識できる部分が増えていきます。自分自身を他人の立場から見直して、自分の誤りをただしていくという機能の障害が背景にあると考えられます。

 

 

 

3.統合失調症の検査と治療について

 

 

 

3-1.統合失調症の検査

 

本人および家族へ、妄想や幻聴などの症状の有無や継続期間などの詳細な問診を行います。さらに、生育歴・既住歴・家族歴などについても聞き、それらを診断のベースとします。

診断の基準としては、WHO(世界保健機関)の国際疾病分類である「ICD-10」と、米国精神医学会の「DSM-5」の2つが主に用いられています。また総合失調症と症状の似ている病気が複数あるため、CT、MRI、血液検査などでこれらの病気と鑑別を行うというのが、主な検査方法となります。

 

 

 

 

3-2.統合失調症の治療

 

急性期・慢性期・症状が消失した後の維持期の3つの時期によって治療法が分かれます。

急性期は抗精神病薬などを用い、症状を抑える薬物療法を行います。なお、緊急時は電気けいれん療法が行われることもあります。

慢性期は社会生活機能を回復させることを目標に、薬物療法に平行して心理社会的療法を行います。心理社会的な治療には心理教育や生活技能訓練、作業療法などがあり、個人の状態に応じ、病気の自己管理の方法を身に付け、社会生活機能のレベル低下を防ぐ訓練などを行います。

適切な薬物療法と心理社会的療法を行うことで望ましい回復が得られますが、総合失調症は再発しやすく、薬物治療をやめて1~2年以内に50%以上が再発するという報告があります。

そのため、再発予防のために維持期治療として服薬を長期間行うことが必要です。

 

 

 

4.最後に

 

 

いかがでしたか?

今回は統合失調症について改めて見ていきました。

統合失調症は早期治療であればあるほど、治療結果が良くなると言われています。

また発症時の症状は様々なので、発症してすぐに総合失調症と気づかれない事もありますが、発症からできるだけ早く診断して、治療することで良好な予後が期待できます。

 

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